劇症1型糖尿病(平成23年度):難病情報センター

難病情報センターより

劇症1型糖尿病のウイルス原因説に関する研究班
代謝疾患
劇症1型糖尿病(平成23年度)
げきしょう1がたとうにょうびょう


1. 概要
劇症1型糖尿病は、インスリンを産生する膵島細胞の急速な破壊により急激に高血糖をきたし、時には致死的であり、たとえ回復してもインスリン産生の枯渇により、血糖コントロール困難となり、社会生活に高度の支障をきたす重大な疾患である。
また、血糖不安定であるため、合併症もきたし易い。


2. 疫学
劇症1型糖尿病は急性1型糖尿病の約20%推定されている。
なお、急性1型糖尿病の年間発症率の正確な情報は乏しいが、およそ1.5/10万人とされている。
従って、劇症1型糖尿病は、日本全国では、年間、おおよそ300人前後の発症数、有病者数2万人程度ではないかと推定される。


※本間注
厚労省(2003)は1型糖尿病患者数を1万人強と発表
難治性疾患克服研究班(2009)での
 劇症1型糖尿病患者数は1万6千人
糖尿病学会研究班(2010)の
 劇症1型糖尿病患者数は5,000人~7,000人

以下 同研究班発表より
年間発症率
急性1型糖尿病の年間発症率・・・1.5/10万人
(複数の抗体を介し発症:インスリン療法の導入により徐々に機能・分泌不全となる:1A型糖尿病
(※一つ又は二つの「食に関わる抗体」を介する1.5型糖尿病、及び、相対的な問題を抱える2型糖尿病でインスリン治療の導入患者数は、この10倍程度以上と考えられる。)
劇症1型糖尿病は急性1型糖尿病の20%と推定
(特定されたウィルスによる膵島細胞の破壊で発症:1B型糖尿病
劇症1型糖尿病の発症率
 という事は・・・> 1.5*0.2/10万人=0.3/10万人
 すなわち ・・・> 1,000,000人(100万人)に3人の発症率
ということである。
有病者数
急性1型糖尿病患者数(80%)は劇症1型糖尿病患者数(20%)の5倍
・急性1型糖尿病患者数 : 10万人
・劇症1型糖尿病患者数 : 2万人
との推定数である。

図は上記推定数をグラフ化したものである。
糖尿病患者数(推定)2015




3. 原因
ウイルス感染による膵臓炎、あるいはウイルス感染に対する免疫応答、または、その両方がインスリンを産生する膵島β細胞の急激な破壊につながると推測されているが、その詳細は不明である。


4. 症状
約70%の症例に上気道炎(咽頭痛、発熱など)、消化器症状(上腹部通痛、悪心•嘔吐)などの感染症状があり、急激な血糖上昇のため、口渇、多飲、多尿、全身倦怠感を示す。
重症化すると昏意識障害、さらには昏睡に陥る。


5. 合併症
高血糖、ケトアシドーシスによる昏睡を来し、治療が遅れれば、致死的である。
急性期から回復後も血糖のコントロール困難であり、糖尿病に伴う、さまざまな合併症(網膜症、腎症、神経障害、動脈硬化症)のリスクが高い。


6. 治療法
急性期にはケトアシドーシスに対して、適切な輸液とインスリン投与が必須である。
全身状態について、呼吸、循環器の救急的管理が必要な場合もある。
急性期から回復後は、インスリン強化療法など、通常の1型糖尿病の治療に準じて、食事療法、運動療法、インスリン治療、自己管理が必要となる。

膵移植、膵島移植などの適応もありうるがドナー不足のため、現実的ではないのが実情である。
将来、原因ウイルスが同定されれば、ワクチン開発による予防につながることも期待できる。


7. 研究班
劇症1型糖尿病のウイルス原因説に関する研究班

研究代表者
永淵正法 九州大学大学院 医学研究院 保健学部門 検査技術科学分野 病態情報学 教授
研究分担者
勝田仁 九州大学大学院 医学研究院 保健学部門 検査技術科学分野 生体情報学 講師
栗崎宏憲 九州大学大学院 医学研究院 保健学部門 検査技術科学分野 病態情報学 助教
下田和哉 宮崎大学 医学部 消化器血液内科 教授
研究協力者
小林隆志 慶應義塾大学医学部 総合医科学研究センター 准教授
近藤しおり 松山赤十字病院 内科部長
筒信隆 福岡赤十字病院 内科部長
南昌江 南昌江内科クリニック 院長
岡田朗 岡田内科クリニック 院長




参考
多施設共同研究:劇症1型糖尿病の診断マーカー同定と診断基準確立に関する研究班
代謝疾患分野
劇症1型糖尿病(平成22年度)
げきしょう1がたとうにょうびょう

1. 概要
膵臓のβ細胞(インスリン分泌細胞)が急激に破壊された結果、インスリン分泌が枯渇し、その結果、血糖が上昇し、ケトアシドーシスをきたす疾患。
インスリン治療を行うが血糖変動が大きく、合併症が進展しやすい。

2. 疫学
日本における劇症1型糖尿病患者数は、5000-7000人であると推測される。

3. 原因
詳細は不明であるが、感受性を有する人にウイルス感染を契機として抗ウイルス免疫が惹起され、膵β細胞が破壊され、発症する。

4. 症状
血糖上昇による症状(口渇、多飲、多尿)に加え、ケトアシドーシスによる症状(全身倦怠感、意識障害など)をきたす。

5. 合併症
インスリン治療が開始され初期の症状が改善した後も、血糖が不安定で、低血糖、高血糖(及びそれによるケトーシス)を生じやすく、糖尿病合併症(網膜症、腎症、神経障害)をきたしやすい。

6. 治療法
インスリン治療。
膵移植、膵島移植も有効であるが、現状ではドナーが不足している。

7. 研究班
多施設共同研究:劇症1型糖尿病の診断マーカー同定と診断基準確立に関する研究班

研究代表者
花房 俊昭 大阪医科大学医学部 第一内科 教授
研究分担者
小林 哲郎 山梨大学大学院医学工学総合研究部 第三内科 教授
池上 博司 近畿大学医学部 内分泌・代謝・糖尿病内科 教授
今川 彰久 大阪大学大学院医学系研究科 内分泌・代謝内科学 特任講師(常勤)
徳永 勝士 東京大学大学院医学系研究科 人類遺伝学 教授
西田 奈央 東京大学大学院医学系研究科 人類遺伝学 特任助教
安田 和基 国立国際医療センター研究所 代謝疾患研究部 部長
大澤 春彦 愛媛大学大学院医学系研究科 分子遺伝制御内科学 教授
粟田 卓也 埼玉医科大学 内分泌・糖尿病内科 教授
川崎 英二 長崎大学病院 生活習慣病予防診療部 准教授
島田 朗 東京都済生会中央病院 内科 部長
永田 正男 加古川市民病院 糖尿病内科 副院長
西村 保一郎 大阪医科大学医学部 数学 教授
研究協力者
内潟 安子 東京女子医科大学 糖尿病センター 教授
大久保 実 虎の門病院 内分泌代謝科 医長
梶尾 裕 国立国際医療研究センター 糖尿病・代謝症候群診療部 糖尿病科 医長
鴨井 久司 新潟県立大学 健康栄養学科 教授
川畑 由美子 近畿大学医学部 内分泌・代謝・糖尿病内科 准教授
佐藤 譲 岩手医科大学医学部内科学講座糖尿病代謝内科分野 教授
清水 一紀 愛媛県立中央病院 糖尿病内分泌代謝科 部長
高橋 和眞 岩手医科大学医学部内科学講座 糖尿病代謝内科分野 講師
田中 昌一郎 山梨大学大学院医学工学総合研究部 第三内科 医員
中西 幸二 フジ虎ノ門整形外科病院 内科 部長
藤井 寿美枝 石川県立中央病院 糖尿病・内分泌内科 部長
牧野 英一 白石病院 糖尿病センター センター長
丸山 太郎 埼玉社会保険病院 内科 副院長
村尾 敏 KKR高松病院 糖尿病内分泌内科 医長
三浦 順之助 東京女子医科大学 糖尿病センター 助教






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